人類の歴史と共に発展してきた医療技術。以前は治療困難とされた病に対しても、
現在では新しい治療方法が確立されようとしている。
我々取材班はそんな最新医療に携わるひとりである
ミード医師の取材を行った。
ミード「私の専門は人間の記憶に関するあーたらかーたらです。そもそも記憶とは...
以下15分ほど語られたミード医師のうんちくは時間の都合でカットする。
その時、ミード医師の元をひとりの患者が尋ねてきた。患者の名はTJ氏。
氏は過去に自分が行った あることの記憶をなくしているという。
TJ「私は 01.02.18に 組むぜ
を作りましたが、その時の事を全く覚えていないのです。
思い出そうとすると頭が割れそうに痛み、こないだ
一度割れちゃいました。」
ミード医師は早速TJ氏に対して診察を開始し、まもなく次のように述べた。
ミード「ふむ、TJ氏のような症状は『選択型記憶障害』と呼ばれます(テキトー)。
思い出したくない過去の記憶を自ら封印してしまうのです。
このような症例の場合、『催眠療法』を用います。患者を催眠状態にして時間をさかのぼり、
障害の原因になっている出来事を突き止めるのです。では早速始めましょう。」
ミード医師はTJ氏を別室に連れて行き、何かを食べさせた。
しばらくして戻ってきたTJ氏をソファーに座らせると、
ミード医師はいきなり隠し持っていた鈍器で氏の後頭部をガツンと殴打した。
TJ「きゅう〜。バタン。」
ミード「いままでは『目を閉じて〜』などと
かったるい事をしてましたが、
最新の研究の結果私が編み出したこの方法ならば一発で催眠状態になります。
TJ氏からは鼻血が出てますが気にしないでください。」
あっけにとられる取材班に対してミード医師はそう言いきった。
ミード「さあ、では治療を始めましょう。TJさん、あなたは今
時間をさかのぼり、
01.02.18にいます。何が見えますか?教えてください。」
TJ氏「な、何も見えません。後頭部が痛いです...。」
ガツン。一瞬冷や汗をかいたかに見えたミード医師の鈍器が再びTJ氏を殴打した。
ミード「何が 見・え・ま・す・かっ。」
すると驚くべき事に、両目が@@になったTJ氏は その夜の事を語り始めた。
TJ「...それは 組むぜ の撮影のため LTM1800のラフィングジブをバラしてトレーラーに載せた際の出来事でした。問題は赤で囲んだ2つのパーツで起こりました。
私はこのように2つのパーツを入れ子にしてトレーラーに載せてました。
ところが再びジブを組み立てるために中のパーツを取り出そうとしたら、きつくて なかなか取り出せないのです。格闘すること30分、力を入れすぎた私は...
バキッ!なんと中のパーツを壊してしまいました。
左図はわかりやすくするために中のパーツのみですが、実際にはまだ入れ子状態のままでした。
その後パーツをお湯で温めたり、石鹸水を付けたりと色々試したのですが、中のパーツはどうしても抜けません。
私は泣く泣く最後の手段に出ました。
そう、外のパーツをニッパーで切り裂き、隙間を作ることでようやく中のパーツを取り出せたのです。
私はこの苦い記憶を封印し、何もなかったことにして 組むぜ を更新したのです。」
ミード「これで記憶を妨げている原因がはっきりしました。
TJ氏が眠りから覚めたあとはこの事を事実として受け止め、記憶を取り戻すでしょう。
さあ、TJさん、私が3つ数えると目が覚めますよ。い〜ち、に〜ぃ、さん!」
TJ「ぐ〜ぐ〜。むにゃむにゃ。」
ミード「...え〜と、まだ寝てますね。まあ、そのうち腹が減って目が覚めるでしょう。」
こうして我々取材班は最新医療の現場をその目でしっかりと捉えたのであった。
しかし我々にはひとつの疑問が残った。
TJ氏の記憶がなぜ画像データになっているかという点である。
ミード「あ、それは簡単なことです。TJ氏とデジカメをUSB接続すればいいのです。
ただし電力の消耗が激しいので、デジカメにはACアダプタが必要です。
TJ氏にはエネルギー源としてカツ丼を食わせておく必要があります。」
このように最新医療は日々進歩を続けている。
そして今日もまた、新たな技術が生み出され続けているのだ。
時代劇の悪徳商人≒『越後屋』なのと同様に、
インチキなヤブ医者≒『ミード医師』となっとるそうです。
しかし一番すごいのは TJ氏がUSB対応になってることかも知れません。