すでに各パーツの組み立ては完了し、作業は難関のワイヤー張りの段階に入っていた。
知欠ジョー氏(本人)
「確かに難しい作業でした。それだけに気をつかいながらやっていたんです。
それが、まさかあんなことになるとは...」
ワイヤー張りは非常に細かい作業だ。細いナイロン糸を4〜8mもの長さに切り、クレーンのワイヤードラムに一度巻き取った後、2カ所に取り付けられたシーブ(滑車)の間を何往復もさせながら張っていくのだ。
左図の例では、"START"と書かれたワイヤードラム付近のシーブと 上にあるシーブの間を6往復させなければならない。
シーブの直径は8mm。シャツのボタンより小さい。
そのフチにある溝に糸を通し、もう一方のシーブに運ぶ。
針に糸を通すような作業の連続である。
作業に入ってすでに4時間、氏はクレーン先端部に取り付ける
ラフィングジブと呼ばれる延長腕の調整を行っていた。
その時、突然の恐怖が彼を襲った!!
これはその際に録音されたオペレーターへの通報電話である。
(実際の音声)
ジョ「もしもし、た、助けてください。シープが、シープがっ。」
オペ「落ち着いてください。何があったんですか?」
ジョ「シープ、シープがぁ....ガチャ。プー、プー、プー」
電話はそのまま切れてしまった。シープって何だ?羊か?と疑問を抱きつつ、
捜査班はジョー氏の自宅へ向かった。
そしてそこで彼らが目撃した も・の・はっ!!
#「ぅひぇ〜っ」という観客の悲鳴と共に番組はCMに。
CM。知欠ジョーのリンクページから
あちこちのサイトをご覧ください。
#ちゃんと戻ってきてね(^^;。
CM明け。
11月25日深夜、クレーンのワイヤー張り作業を行っていた知欠ジョー氏からの緊急通報を受け、
氏の自宅へ向かった捜査班が目にしたのは衝撃的な現場だった。
ラフィングジブを引っ張る6連のシーブ(滑車)がワイヤーの張力に耐えきれずにバキンと外れ、
バラバラに飛び散ってしまったのである。
クレーン全景。
先端に付けられた青いラフィングジブの無惨な姿と垂れ下がったワイヤーが事故のすさまじさを物語っている。
本体アップ。
ラフィングジブを引っ張っていたワイヤーが本体を覆ってしまっている。
ラフィングジブの組み立て説明図。
黄色い矢印の部分が今回脱落した。
実際のジブのアップ。
6枚のシーブと軸が無くなってしまっている。
ジョ「軸と5枚のシープは見つけだしました。でも残り1枚が見つからないのです。」
捜査班は直ちに付近にいた
ふとんや積み上げられた雑誌を参考人として押さえ、事情聴取を行った。
しかし、依然としてシーブの行方は知れず、ジョー氏は半ベソをかきながら
ふて寝してしまった。
こうして25日の夜は終わった。
翌日も捜査は続いた。結局ふとんと雑誌は事件との関連性が薄いことが判明し、釈放された。
そして捜査開始から2時間、捜査員がふとミニチュアの裏側を見ると...。
あった!!!
今まで陰になっていた本体とジブの裏側から最後のシーブが発見されたのだ。
胸をなで下ろすジョー氏。
任務を終え、達成感に浸る捜査班。
ジョ「もとはと言えば私が軸を接着していなかったのが原因でした。
捜査班の活躍がなければ今日の私は無かったでしょう。
皆さんにはとても感謝しています。」
捜査班のリーダー、カイ・チューデントー氏は語る。
カイ「捜査は難航しましたが、最終的に無事シーブを発見できました。
捜査員として当然のことをしたまでです。
また今回の事件で、知欠ジョー氏が
シーブ(sheave:滑車)を
シープ(sheep)と勘違いしたことも分かりました。
これでは羊です。やっぱアホですね。」
クチャクチャになったワイヤーをどうすればいいのか、
ジョー氏はまだその答えを見つけ出せないでいる。
それを見つけた時がこの事件の真の解決の瞬間となるのだ。